松本広域地協

「男女共同参画を進める市民のつどい・まつもと」が行われました

2015-03-10

3月8日(日)に、「男女共同参画を進める市民のつどい・まつもと」が開催され、ジャーナリストで和光大学教授の竹信三恵子氏による講演「しあわせに働ける社会へ ~女性にとっても 男性にとっても~」その後、講演を終えた竹信氏とパートアルバイトマネジメントコンサルタントの赤沼留美子氏によるトークセッション「わたしたちにとって、自分らしく働ける社会とは」が行われました。

講演で竹信氏は「働く女性の56%が非正規社員。女性非正規の賃金は男性正規の半分であり、単身女性の3人に1人が貧困というのが現状です。労働時間の短縮と均等待遇を進めて行かなければなりません。日本の今の働き方では、長時間労働でないと社員になれない。長時間労働が出来なければ、社員から脱落して行くのが現状です。一度非正規となれば、途中から正規となるのは困難であるのが現状。非正規社員は、正規と比較して極端に低賃金が当たり前であり、非正規である事を理由とした低賃金が許される構造が出来上がっている。家事・子育て・介護は家庭で女性が担い、男性が家族分を稼ぐのが前提の現在の福祉政策では幸せになれない。女性がもっと稼げるようになれば、男性も今の長時間労働から解放され、例えば家事や子供の世話ができるようになり、家庭で楽しく暮らせるようになる。
これまで男性が、なぜ家庭で家事の時間が取れなかったかというと、必死になって家族全員分の賃金を稼がなくてはならない長時間労働を強いられて来たからです。夫が死ぬまで家族を養うために働かなくてはならない仕組みを変えて行かなくてはなりません。家に帰って家事ができるようになれば、きっと夫婦仲も良くなるし、その後の老後も安心になると思います。女性の貧困と男性の過労死を生み出す社会構造を変えて行きましょう。
アベノミクスの「女性活躍」政策で改善されるかというと、なかなか難しい。家事・介護・育児にもう少し税金を投入し、福祉サービスを手厚くすることが求められているし、男性中心となっている「標準労働者像」の転換が必要です。労働法制の改正を進めようとしているが、たいへん危うい方向に向かっており、更なる貧困の拡大につながってしまう規制緩和はあってはならない。・・・・・・・・」とお話しされました。

各種の統計や指標を基に、分かりやすく講演され、大変有意義な時間となりました。