上伊那地協

「満蒙開拓」という言葉をご存じですか?

2013-07-30

上伊那地協は7月27日(土)、本年の平和活動の取り組みとして、今年4月25日阿智村にオープンした「満蒙開拓平和記念館」を参加者20名で訪れた。
そもそも“満蒙開拓”とは何か?記念館事務局の方の説明を受けてから、館内の写真や資料、映像など展示品を見学。その後、見学者全員で、元開拓団員だった佐藤ハルエさんの講話を拝聴した。
佐藤さんは大正14年生まれの現在88歳。
1943年(昭和18年)岐阜県の黒川村開拓団の一員として、家族6名で中国吉林省に入植した。幾多の困難を乗り越え、開拓の成果が今一歩という時に終戦を迎える。一日にして全てを失い、絶望と混乱の中、黒川村開拓団では600名程の内、200名以上の亡骸を大陸に残し引き揚げを余儀なくされた。
佐藤さんもご家族3名を亡くされている。
かつて国策として、日本から約27万人の農業移民が旧満州(中国東北部)へ渡った。長野県は全国で一番多くの開拓団員を送り出している。実際、今回上伊那地協からの参加者の中にも、親族に引き揚げ者を持つ方がいる。
「語り部」のお話しは、当然の事ながら近い将来全く聴くことが出来なくなるので、多くの人にこの体験談を聞いて欲しい。今回の平和学習では「語り継ぐべき歴史の一端」に触れた思いがした。